世田谷公園から徒歩5分、アットホームな動物病院です

2009年03月28日

パパという名のネコ


パパというネコがいました。

元々は代診の時に働いていた病院のネコでした。
単に病院の愛玩ネコでもあったのですが、供血猫でもあり、輸血が必要な時には多くの猫の生命を助けました。


パパは一見、厳つい顔をして怖そう...と思われがちなのですが、何をされても怒らないヌイグルミのような猫でした。
ちなみに種類は ヒマラヤンという長毛の、ブルーの眼をした愛嬌のある容姿でした。

写真ではパパの良さは伝わらないのですが、とにかく性格が、のんびりしていてマイペース、そして人懐っこい。

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(日向ぼっこ中、寝起きの無愛想なパパ)


そんなパパは、約18年、病院猫として生活していました。猫の18才は、かなり高齢です。しかし4,5年程前から腎臓を悪くし、薬と点滴をしながらの生活でした。

 
余生はのんびりと生活をさせてあげたいとのスタッフ皆の意見と、自分によくなついていた事もあり、パパは僕の部屋で生活する事となりました。当初、慣れない環境での生活はどうかとも考えましたが、思いのほか順応してくれました。

 自宅に来る初日、病院から自宅までの京王線の電車内では、皆が振り返るような大きな声で(もともと鳴き声はかなり大きいのですが...)鳴いていました。
 
病院で飼い始めてから病院外の空気を吸うのはおそらく18年ぶり、、、すべてのものに驚いていたはずです。しかもその日は年末で気温も低く、キャリーケージを暖かくはしたものの、大丈夫だろうかと、とても心配でした。
 
自宅に着き、キャリーから出たパパは、部屋中のものに興味を示し、あらゆる場所のにおいを嗅ぎ廻っていました。用意しておいたトイレにすんなり入ったものの、狭い場所での生活が当たり前だったパパには部屋のスペースは落ち着かなかったようでした。結局、小さな箱を用意したらその中で落ち着いてしまいました(以前から病院でも一番のお気に入りの場所は洗濯かごの中でした...)


自宅に来た時点で、腎不全の程度はかなり進んでいたので、あくまでパパの自由に、本人のストレス、負担にならないような治療は自宅で続けることが目的でした。 
 
ベランダへは自由に行けるようにしていたのですが、初めは少し戸惑っていたようでした。日々の経過とともに生活には徐々に慣れ、天気がいいと自分でベランダに出て、日光浴をするようにまでなりました。
 
部屋は2階なので外の猫とはもちろん接触できませんが、野良猫が下を歩いていたりすると、気になってずっと猫がいなくなるまでベランダで見下ろしていました。


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(雲間から光が射した瞬間、そちらを見上げたパパ)


そんなパパも、皆に愛されながら、昨年の6月半ばに天国に行きました。今でも桜の時期になると、部屋の前にあった桜の花びらが、ベランダにいたパパの背中によく付いてたのを思い出します。


ペットが僕達に与えてくれるものは、本当にかけがえの無いものです。

僕達より短い一生を送るペット達ですが、いかに意味のある生活を一緒に過ごせたか?という事が大切なのだと思います。 

ペットの一生の最後に、自分達が本当に感謝できたのならば、きっとペット達も同じように思っているのではないでしょうか?


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posted by フォレスタ at 22:24| コラム〜NO ANIMAL , NO LIFE〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月13日

これから犬を飼おうと考えている方へ〜飼う前の勉強会開催〜

  

当病院では、初めてワンちゃんを飼う予定の方、あるいは飼う事を考えている、悩んでいる方々向けに

「 仔犬を家に迎える前の勉強会 」

を行っています。飼いたいけれど不安だ、知識があまりない、どんな犬種を飼うか悩んでいる、などといった方にはオススメです。
 
完全予約制、無料、約1時間弱を予定してます。
 
堅い感じは全くなく、アットホームな雰囲気の中で行います。考えている方は、是非ご連絡ください。
 
時間は、日曜の14:00〜15:00を予定しております。3,40分の講義と、その後の質問などで1時間弱を予定しています。
 
※講義中に急患が入ったときは、一時中断もしくは途中から次回に延期となることもありますのでご了承ください。



内容


○犬種選び。仔犬をどこで購入するか?時期は?

○飼うまでに準備しておくもの

○食餌の管理

○体調の管理

○これから必要になる予防
 (ワクチン接種、フィラリア、ノミ・マダニ予防)

○しつけ

○”歯”のはなし

○去勢、避妊手術のはなし

○散歩時、公共の場所でのマナー

○質問タイム



ご希望の方は(平日12:00〜16:00に)電話にてご予約ください。

電話 03-3410-3277  

お電話時に、
お名前、連絡できる電話番号と、現在、考えている犬種があればお聞かせください(なければ結構です)
 


posted by フォレスタ at 17:36| フォレスタ通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月07日

肥満対策・理想体重を目指して!



動物も肥満になると、何かと問題が出てきます。

ある程度の年齢 (一般的には小型犬、中型犬、猫の場合シニア期は7歳位から) になればなおさらです。

関節疾患
心疾患
糖尿病
全身麻酔をした場合のリスク増加

などが挙げられます。
このような問題が生じないようにするには、

まずは生活スタイルを見直す。そして、肥満傾向であれば少しずつ減量にトライする。
 
頑張ってください!美味しいものばかりを与えてあげることがペットの快適な生活につながらないのですから。
肥満は、ほとんどの場合、飼主の方の管理が改善されれば解消します。つまり、飼主さん次第とも言えるのです。


体重は、食餌量と運動量のバランスで決まっていきます。
  
 また、理想体重とは、その子の骨格から考えていきます。同じ種類であっても個体それぞれ骨格は違うためです。
[体の肋骨(あばら骨)あたりを肋骨と垂直になぞってみてください。肋骨がごつごつ触れても良くないですし、触れなくても良くないです。少し触れる程度が理想です。]

ここで言う「食餌量」とは、普段のフード以外にも、おやつも含まれますし、人が食べる食事を少しだけだから...といって与えてしまうものも当然含まれます。

ここで言う、「運動量」とは、お散歩を含め、生活するのに使用するエネルギーのことです。


例えば、去勢手術、避妊手術をしたペットや、中高齢になってきたペットは、生活するのに使用するエネルギーが少なくなります。この時に、以前と同じ量の食餌を摂っていると、カロリーオーバーになり肥満になってしまいます。

つまり、去勢、避妊をしたり、中高齢になれば、食餌のカロリーは抑える必要があるのです。シニアフードや、ライトフード(減量フード)はもちろん内容としては良いのですが、必要以上の量を食べてしまわないように調節しなければなりません。


現在、肥満傾向の場合ですが、先ほど食餌量と運動量のバランスで体重が決まっていくと説明しましたが、運動量を今までよりも急激に増やすと、足腰の関節に負担がかかってしまいます。運動量を増やす場合は少しずつと心掛けてください。 毎日適度な運動というのが理想です。多すぎず少なすぎず。できれば日光浴も毎日おこなうとよいでしょう。リフレッシュ効果もあり、身体も活性化します。
ただ、運動によって消費するカロリーはそれほど多くはないため、減量には食事管理が重要になってくるのです。


年齢や、その子の健康状態、生活のスタイルに合ったフードを選択する。
定期的に体重をチェックして、適正な食餌量を決める。
適度な運動も必要


※ペットフードのパッケージの裏側に記載されている食餌量は、あくまで目安です。その子に合った食餌量を考える必要があります。与えるべき量が、表記量と大幅に異なることもあります。

※フードの選択に悩まれている場合は、気軽に病院にご相談ください。



posted by フォレスタ at 21:56| フォレスタ通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする